大学入学共通テスト「情報I」— 用語
情報Iの擬似言語は DNCL ではない — 違いを整理する
DNCL は「情報関係基礎」で使われる言語で、大学入試センターが仕様を公開している。 一方「情報I」で出題されるのは共通テスト用プログラム表記という別のもので、 まとまった仕様書は存在せず、試作問題と過去の出題に例が示されているだけである。
まぎらわしい理由
「情報I 擬似言語」で検索すると DNCL という言葉が大量に出てきます。 ところが実際に情報Iの問題を開くと、DNCL の仕様書に書かれている記法とは 見た目が違います。混乱の原因は、よく似た 2 つの試験で、別々の言語が使われていることです。
| DNCL | 共通テスト用プログラム表記 | |
|---|---|---|
| 使われる試験 | 情報関係基礎 | 情報I(2025 年〜) |
| 正式名称 | 共通テスト手順記述標準言語 | 特に名前は付けられていない |
| 仕様 | 大学入試センターが説明資料を公開 | まとまった仕様書は無い。試作問題などに例示のみ |
| 受験する人 | 主に専門学科・総合学科の出身者 | ほぼすべての受験生 |
つまり、情報Iを受けるなら勉強すべきは後者です。 DNCL の解説記事を読んでも、記法がところどころ違うので混乱します。
書き方はどのくらい違うのか
同じ「変数に値を入れて、条件で分けて、くり返す」処理を書いても、 見た目はかなり変わります。主な違いは次のとおりです。
| やりたいこと | DNCL | 情報I のプログラム表記 |
|---|---|---|
| 代入 | kosu ← 3 | kosu = 3 |
| 表示 | kosu を表示する | 表示する(kosu) |
| 条件分岐 | もし 〜 ならば 〜 を実行する | もし 〜 ならば: のあと字下げ |
| ブロックの終わり | を実行する / を繰り返す の行で閉じる | 字下げと、行の左の罫線で示す |
| 配列を作る | Tokuten ← {87, 45, 72} | Tokuten = [87, 45, 72] |
| かつ / または | かつ / または | and / or |
代入がいちばん目につく違いです。← が出てきたらそれは DNCL で、 情報Iの問題ではありません。逆に = で代入していて、 行末が : で終わっていれば情報Iのほうです。
似ているところもある
全部違うわけではありません。次の点は共通しているので、 DNCL 向けの解説がそのまま役に立つ場面もあります。
- くり返しの日本語が
〜 から 〜 まで 〜 ずつ増やしながらでほぼ同じ - 変数名はローマ字で、配列だけ大文字で始める慣習も同じ
- プログラムに
(01)のような行番号が付き、 ブロックが縦線で示される紙面の作りも同じ - 配列の添字が 0 からか 1 からかを問題文で指定する点も同じ
「仕様書が無い」ことをどう受け止めるか
情報Iのプログラム表記には、参照できる仕様書がありません。 試作問題の資料にも、記法をまとめて説明したページはなく、 プログラムの例が載っているだけです。しかも 「問題文中では簡潔にするため異なる形式を使うことがある」と断られています。
これは裏を返すと、細かい記法を暗記する対策には意味がないということです。 出題側も、受験者が記法を覚えている前提を置いていません。 実際、and の意味は問題文のなかで毎回説明されますし、 使う関数もその問題の中で定義されます。
必要なのは、初めて見る書き方をその場で読み解く力です。 そのためには実際に動かして、変数がどう変わるかを目で見るのがいちばん早道です。
実行シミュレーター に問題のプログラムを貼り付けると、 行番号と罫線は自動で取り除かれ、1 行ずつ実行できます。 記法そのものは 構文別レッスン で 1 つずつ確認できます。
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